熊本市内を流れる一級河川「白川」は、その流水のほとんどが上流域の阿蘇カルデラに降り注いだ雨や湧水を集めたものです。中流域に降った雨は地下に浸透するために、白川にはほとんど流れ込まないのです。つまり、白川を流れる水は阿蘇カルデラの水といっても過言ではありません。阿蘇カルデラは阿蘇谷の黒川、南郷谷の白川がカルデラの入口で合流したものです。この白川の最上流部で忽然と水を吹き上げているのが白川水源です。毎分60トン湧き出る水は湧水地からすぐに幅5mほどの川となり、膝までつかるかと思われる流量で流れていきます。
このような豊かな湧き水のため、古くから水に対する信仰があったようで、水源地横の白川吉見神社に「みつはのめ神」という水神様が祀られています。白川吉見神社には、高森草部吉見神社の主神である国龍神も祀られていますが、おそらく水神信仰の方が古いと思われます。